はじめに
24卒で就活してました。来年からはSIerでR&Dやりそうです。将来、就活の時の意思決定について振り返る機会がありそうなので、いろいろ残しておきます。(なんたって就活始める前は「SIer?多重下請け構造で中抜きしまくってる企業でしょ?つぶれるべきでしょ」と思っていた人間がSIerに就職するのだから)
自己紹介
ぼくのことを知らない人でこの文章を読む人はそう多くないと思います。ただ、Abemaに4年前の記事を掘り出されたりと、誰が目にするか分からないので自己紹介しておきます。何者か分からない人間の就活振り返りほど役に立たないものはないからね。(いわんや就活アドバイス。twitterとかインスタにあふれてる得体の知れないアドバイザー、消えなさーーい!この企業がおすすめ!とか対策はこうしろ!とか。なんなの?) 履歴書等に書いたり書かなったりしたことをまとめておきます。
所属
都内公立中→都内公立高→東工大(生命理工)→東工大院(生命理工)
もうすぐ名前が「東京工業大学」から「東京科学大学」に変わるらしいです。高校も大学も偏差値が高いところなので、学校名社会の日本においてかなり強い感じの経歴です。博士課程には進みません。
専門
生物、生物物理、分子動力学シミュレーション
下に貼ったyoutubeの動画みたいなことをやっています。ぼく自身は個々のタンパク質には興味がなく、シミュレーションの理論寄りのところをやっています。バイオインフォマティクスと言われる分野でもあります。(多分)
資格とか
- 車(AT)
- TOEIC760
- 基本情報(2022年11月取得)
学校名のほうが強い(かなしい)。
ポエム
計算機でなんかやるのが好きでコンテストで上位2割ぐらいに入ります。これぐらいのランクです。
- atcoder A水/H水, codeforces 水
- signate advanced
また、atcoderを知っている会社の人に言って伝わりそうなコンテストの成績はこんな感じです(色や成績は、履歴書には書いたことがないものの、面接で話す機会はありました。)
- HTTF本選出場(新卒枠)(2022年12月)
- ICPC予選(一番最初のやつ)70位ぐらい
atcoder水がどれくらいかというと、基本情報技術者試験の午後問題について、atcoderで得たアルゴリズム等の知識だけで全体の合格点である6割まで持っていけるぐらいです。signate advancedはtitanicとかmnistとか触って機械学習の流れ完全に理解した卍ぐらいです(signateでメダルを1つ取るとadvancedランクになるが、メダルをとるハードルはkaggleよりもずっと低い感じがする)。
ただatcoderのレートがこんな感じなので(まったく参加してないので)競プロerではありません。「非情報系純粋培養競技プログラマー(水色)の就活記録」というタイトルにしようという考えが一瞬頭をよぎりましたが、毎週コンテストに参加している方々に失礼なのでやめました。(わざわざなぜこんなことを書いているかというと、twitterのフォロワーに競プロつながりの人が一定数いるためです。)(一応AHCのほうは今でも参加しているしこれからも楽しんでやろうと思っています。)
性格的なものは16personalityをやるとINTPになります。SPIなどの性格診断は全て正直に答えていました。(イケイケ陽キャのふりをして採用された後にそのような振る舞いを求められたらつらいので。)(まったく関係ないけど、facebookの設立を描いた映画『ソーシャルネットワーク』でザッカーバーグがfacebookつくってイケイケのときに女の子と飲み騒ぐシーンあるじゃん?あれってザッカーバーグ本当に楽しめたの?毎日同じような服着てる人なのに。)
就活
計算機さわっているのが(クラブとかで飲み踊り騒ぐよりも)好きだからIT系で働きたいぐらいの気持ちで就活を始めました。
妹(学部生で同じく24卒)が危機感を煽ってくれたこともあり、修士1年の4月にlabbaseとかマイナビに登録だけしていました。(えらい!)基本的にlabbaseで飛んでくるメッセージに返信して、おもしろそうな企業のインターンに申し込むということをやっていました。4,5月は「自分は研究するために大学院に進学したのになんでこんな就活に時間かけてるの?」という気持ちをかなり持っていた気がします。
インターン
IT系で働いてコードたくさん書きたい~、ついでに(インターンで)お金もらえるならお金ほしいぐらいのノリでインターンに申し込んでいました。エントリーした企業を全て書くのは大変なので、以下に印象的だった企業について記録を残しておきます。
- N社
- labbaseでメッセージが来て選考に進みました。テストセンターでSPIを受ける必要があったのですが、寝坊して絶望感とともにテストセンターに電話したのが記憶に残っています。(次の時間で受けさせてもらえた。)純粋培養の何を評価してもらえたのかはわかりませんが、1か月程度の研究開発のインターンに参加しました。
- 懇親会で社員が意味わからないぐらい頭の回転が速くてビビりました。
- 就職先です。
- T社
- track jobで募集していて申し込みました。1dayの無給のインターンでしたがこんな業界でもプログラム書く人を求めているんだなという点が記憶に残っています。いわゆるIT企業でなくてもコードを書くことはできるし、逆にIT企業でもコードを書かない人たちもたくさんいるんだなということを知りました。
- M社
- 6月にエントリーしてサイレントお祈りされた気がしていたら、11月に「ぜひインターンに参加してほしい」というメールが来ていました。なに?
- R社
- paizaから選考に進みました。面接で技術のことなにもわからなそうな若い女性の人事と20分ぐらい話して次のフィードバックをもらいました。
- は?????????確かにぼくは個人でもチームでも開発経験がなく、情報学を専攻しているわけでもなく、競技プログラミングが人並にできるぐらいの人間でしかありません。それでもこの「エンジニア素養、ポテンシャルが見えづらかった」という表現はかなり嫌な気持ちになりました。ぼく以外にもこのフィードバックを(別企業から)もらった人がいるようで、paizaさんはテンプレからこれを削除してもらえればと思います。
- この企業はtoCのwebサービスを提供している会社ですが、二度と使いたくないです。(一度もつかったことないですが)
書いてない企業のインターンも含めて、参加するたびに仕事に対するイメージが「お金もらえないならやりたくないが、お金もらえるならやってもいいレベルの作業」という感じで固まっていきました。
後輩を見ているとインターンの選考もとても難易度が高そうで、自分は制作物も何もないのにぬるっと決まって本当に運が良かったなと思います。
本選考
10月ごろからインターンからの流れもあり本選考にエントリーしていました。3月ごろには完全に終わってました。(なのでM1の間に就活を終えていました。)これもいくつかピックアップして記録しておきます。
- N社
- A社
- C++100万行の会社です(?)面接していただいた方がとても強かったです。自分も無限に頑張らないとなと痛感しました。(お祈りされました。(知ってた。))
- A社
- 上とは違う会社で、スタートアップに分類される会社です。面接で研究内容をスライド付きでしっかり話すことがあったのですが、内容について厳しくつっこまれて好きになりました。MCMCとかシミュレーションの差分化の話とかポンポンできるのは嬉しいなという気持ちです。採用通知もいただきN社とかなり迷いました。
- Z社
- 同じくスタートアップに分類される会社です。社員の方々の仕事に対するモチベーションの高さがとても魅力的でした。てこの原理みたいな会社の就活エージェント経由で申し込んだのですが、就活エージェントが自分への面接時刻の伝達をミスって自分が面接をぶっちしたヤバいやつみたいになってしまったのが残念なところです。(結局内定をいただきましたが。)(こういう人たちと働きたいなというイメージがわく会社だった)
- S社
- Y社
- でかいWeb系の企業で合併が発表されたところです。学校名を言ったら内定が出ました(流石に嘘)。
- Y社
ポエム
いろいろ書いておきたいので書かせてください。
会社選び
「やりたいこと?特にないんだけど(やりたいことですぐできることであればやっているし)」という感じだったので、やりたいことをもとに業界、会社を選ぶというのが難しかったです。(結局コンサルや金融も受けたし(大手から内定ももらったし)。) 諸々の就活サイトで目に入った企業を受けていき、縁があった会社に行くことにしたというのが正直なところです。
ただ次のようなことは考えていました。まず特にtwitterにおいてJTC vs 外資, SIer vs 自社開発web系企業 といった対立構造をつくりインプレッションを得ている方が(就活中は無視できないぐらいの存在感で)います。ぼくが就活をしていた2022年6月~12月というのはGAFAを始め多くの外資系企業がレイオフを実施しまくっている期間でもありました。自分が解雇される可能性を常に考えながら働くことに対しても、上司がコロコロ変わることに対しても、自分はあまりいいイメージを持っていないため(そのような環境で自分が満足いくパフォーマンスを発揮できるとは思えなかったので)外資はとりあえずエントリーしなくていいかなぁという気持ちになりました。また、研究室では日本語よりは英語や中国語を耳にする機会が多いのですが、正直英語はつらいという気持ちもあります。勿論選考難易度が高い、面接をパスするためにその対策に時間を割きたくないという気持ちもありますよ。ええ。ここらへんは数年したら考え方が変わるかもしれません。
SIer vs 自社開発web系企業 の対立は謎です。もちろん、「コードを書きたい、ソフトウェア作りたい」という人がSIerでお客様と話し合って要件定義して下請けに流してといったことをするのは幸せだとは思いません。ただそれだけであって、SIerでもweb系のことやれるし、バリバリにコードを書いている人たちもいるし、寧ろ包含関係にあるように思えています(SIerのほうが組織として大きく、守備範囲も広いイメージ))。そんな中で、自分は何かをつくりたいという意識が強くあるわけではないこと、特にtoCのビジネスにおいては客のニーズに沿った開発を進められるとは思えなかったことからSIerのほうが向いているのではないかと考えました。(後者についてはtwitterやlineのアップデートがユーザーにとっていつもポジティブに受け入れられているわけではないことが考えとしてあります。)
また自分は、人の評価はその人の持っているもの以上に、周囲の環境に影響されると思っています。会社の評価が「どれだけ利益を生んだか」という単一の分かりすい指標であっても、それは上司であったりプロジェクトによって変わるものであり、360度評価のようなものをやっても全員が納得いく評価はできないと考えています。それだったら配属ガチャに左右されるよりも年次で給料が上がる方が嬉しいのでは?という気持ちになります。(これも数年後どんなふうに考えているか分からないけど。)
こんなことをもとに内定をいただいた会社を比較して決めました。はい。
面接
「学生の間に力を入れたことは?」という質問をされたことはあまりありませんでした。それよりも研究内容とか自分のスキルセットについて突っ込まれることが多かったです。(研究開発寄りのところとかデータサイエンティストっぽいところばかりうけてたからかもしれないけど。)特に、生物系だけどプログラミングどうやって勉強したのか、なぜ始めたのか、今の興味はどこにあるのか、これからどんなことをやっていきたいか、といった話を聞かれる/することが多かったです。基本的には未経験領域も自律自走できます!頑張れます!というアピールをしていた気がします。専攻も研究室もアルゴアルゴしてないし、機械学習も関係ないところだけど、そこら辺の情報系の学生と同じぐらいには分かってます〜、こんな感じで勉強しました〜みたいな感じで。
マッチング
特に学部3年生のときにも適当にサマーインターンに申し込んでいた自分が勘違いしていたことで、「就活は自分のすごさをアピールする場ではない」というのがあります。企業は自分たちと一緒に働く人を求めているのであって、求めてないところがすごくても知らんがなという気持ちになります。これはマッチングアプリに似ています。人によって求めているものが違う中で、自分を磨くことはもちろん大切です。しかしそれ以上に、相手が求めているものは何なのか(年収、顔、優しさ、男らしさ、面白さ、etc)、その中で自分が出せるものは何のかを考える必要がありました。
そんな感じで就活やってる最中にマッチングアプリ登録したら一瞬で彼女できました。はい。就活は恋人錬成の役に立つ。
おしまい