孤影悄然のシンデレラ

ぼくの思考のセーブポイント

NAMD confファイルのパラメーターについて 日本語メモ

 

はじめに

 このサイトをはじめとする公式の説明をみればいいのだけれど、翻訳しないと分からない文章がたまにあったり、いくつかのページを見なければいけなくて結構面倒に感じていた。もっとも、3か月ぐらい触っていたら雰囲気はつかめたので、毎回あれこれなんだっけと確認することはもうないのだけれど、これから先自分と同じように苦しむ人がいるかもしれないので、自分が使っていたメモを共有しておこうと思う。(や、どうせ研究室とかで使う人が殆どだろうから、普通は先輩とかから丁寧に教えてもらえばいいのだけれど、何らかの事情で聞けない人もいると思うので。)そんなわけで、これからNAMDを使う日本語ネイティブかつ英弱の人の参考になればと思う。

 自分がconfを書くにあたって参考にしたもののメモなので、基本的に公式のユーザーガイドの和訳だが、内容が補足されていたり、もしくは全く触れられてないものがある。(触れられてないもののほうが多い。)そのため、英語読める人は公式の説明をみたほうが1e9+7倍良い。今すぐ公式サイトにいけ。それと、日本語のサイトがそもそも全然ないので、これを書くことで検索が邪魔される(より質の高いサイトが見れなくなる)心配はないと思っているけれど、よりいいサイトがあったら教えてもらえると嬉しい。自分は今後それを参考にするし、この記事は消す。

 

 以下のサイトをもとにメモをつくった。自分が.confファイルをつくるときに参考にしたパラメーターのみを扱っているので、内容全てを網羅しているわけではない。(そのうち必要になったら追加するかも。)

NAMD configuration parameters

Boundary Conditions 

Dynamics

Temperature Control and Equilibration

Pressure Control

 

Input and Output files

Input files

coordinates <coordinate PDB file>

Acceptable:UNIX filename

初期位置座標についてのpdbファイル。絶対パス相対パスのどっちでもok。指定できるファイルは1つだけ。例えばタンパク質をwaterboxで囲って、イオン追加してtotal chargeを0に近くしたpdbファイルがここにくる。

structure<PSF file>

Acceptable:UNIX filename

シミュレーションを行う分子系を記述したX-PLORフォーマットのpsfファイル。指定できるファイルは1つだけ。vmdのautopsfとかでつくったやつがここにくる。

parameters<parameter file>

Acceptable:UNIX filename
CHARMMxxのパラメーターファイルで、シミュレーションされる分子システムに必要なパラメータのすべてまたは一部を定義する。各シミュレーションで、1つ以上のファイルを指定する必要がある。複数のパラメーターファイルを必要とする場合、複数指定することができる。この場合、ファイルはconfファイルに書いた順に上から読み込まれ、重複したパラメータが読み込まれた場合は、最後に読み込まれたパラメータ値が使用される。このサイトから良い感じの奴をもらえばいい。

paraTypeXplor<パラメーターファイルがX-PLOR形式か?>

Acceptable::on/off
default:on
パラメーターファイルがX-PLOR形式であるかどうかの指定。基本的にdefaultのままでいいのでわざわざconfに書く必要ない。

paraTypeCharmm<パラメータファイルがCHARMM形式か?>

Acceptable::on/off
default:off
パラメーター・ファイルがCHARMM形式であるかどうかを指定。パラメーターファイルに2個前で示したサイトのものを使っている場合、charmm形式なのでonにする。(defaultはoffなので明記しなければいけない)

velocities<velocity PDB file>

Acceptable:UNIX filename
シミュレーションする全原子の初期速度を含むPDBファイル。一般的には、以前のシミュレーション中にNAMDによって書き込まれたリスタートファイルまたは最終速度ファイルがくる。初期速度の決定には、temperature/velocities/binvelocitiesのいずれか一つのみが定義されている必要がある。temperatureを指定することが多い気がしているので、あまり使わなそう。

binvelocities <binary velocity file>

Acceptable:UNIX filename
シミュレーションする全原子の初期速度を含むバイナリファイル。binaryrestartまたはbinaryoutputを有効にすることで、NAMDからの出力として作成される。初期速度の決定には、temperature/velocities/binvelocitiesのいずれか一つのみが定義されている必要がある。binvelocitiesはvelocitiesよりも精度がいいので、velocities使うよりもこっち使った方がいい(が、temperatureを指定することが多い気がしているので、結局あまり使わなそう。)

bincoordinates <バイナリ、座標データ、再起動ファイル >

Acceptable:UNIX filename
初期位置座標データについてのバイナリリスタートファイル。binaryrestartまたはbinaryoutputを有効にすることで、NAMDからの出力として作成される。binvelocitiesと違って、これは基本的にシミュレーションの再スタート、また(ステップ的に)連続したシミュレーションを行う際に必ず使う。bincoordinatesが指定されている場合、coordinatesで指定された座標は無視され、bincoordinatesnの座標が適用される。

cwd  <デフォルトのディレクトリ >

Acceptable:UNIX directory name
入出力ファイルがどこにあるか、どこに出力するかを指定する。cwdの値を指定していない場合、諸々のファイルは、confファイルを含むディレクトリからの相対パスになる。(基本的に指定しなくていいとおもってるけど、綺麗好きの人は指定するのかも)

Output files

outputname<output file prefix>

Acceptable:UNIX filename prefix
各シミュレーション終了時、NAMDが出力するファイルの名前。

binaryoutput <出力をバイナリにするか>

Acceptable:yes/no
default:yes
このオプションがnoに設定されていない場合(yes、または何も書かない場合)、最終的な出力ファイルはPDBフォーマットではなくバイナリで書き込まれる。バイナリファイルはASCIIのPDBファイルよりもNAMD再起動時の精度を保つことができるが、バイナリファイルはコンピュータアーキテクチャ間での移植性が保証されていないことに注意。

restartname <restart files prefix>

Acceptable :UNIX filename prefix
default:outputname.restart
リスタートファイル名に使用する接頭辞。基本的にデフォルトのままでいいので、わざわざ書く必要なし。restartnameが定義されている場合、restartfreqもあわせて定義する。(というか基本的にどっちも定義するが、restartnameはデフォルトのままでいい)

restartfreq <リスタートファイル生成の頻度>

Acceptable:正整数
リスタート・ファイルを生成する際のタイムステップ数の指定。

restartsave <リスタートファイル名にタイムステップを使用するか?>

Acceptable:yes/no
default:no
現在のタイムステップをリスタート・ファイル名のプレフィックスに追加し、最後に書き込まれたバージョンのみではなく、一連のリスタート・ファイルを生成してくれる。基本的にnoでいいと思っている(どういうときにyesにするか分かってない)


binaryrestart <リスタートファイルをバイナリにするか? >

Acceptable:yes/no
default:yes
このオプションがnoに設定されていない場合、リスタートファイルはPDBフォーマットではなくバイナリで書き込まれる。binaryoutput参照。

DCDfile <座標軌跡出力ファイル>

Acceptable :UNIX filename prefix
default: outputname.dcd
位置座標の軌跡についてのファイル名を指定する。このファイルは、X-PLORと同じフォーマット(バイナリDCD)で、全原子の位置座標の軌跡を書き込まれる。DCDfileが定義されている場合、あわせてDCDfreqも定義する。


DCDfreq <軌道ファイルに座標を書き込む間のタイムステップ>

Acceptable: 正整数
dcdファイルに位置座標を書き込むタイムステップ数の指定。タイムステップが小さいと(書き込む頻度が多いと)めちゃめちゃでかいファイルができる(猛省...)。適度な値を指定する必要あり。

DCDUnitCell <ユニットセルデータをDCDファイルに書き込むか?>

Acceptable:yes/no
default:周期セルの場合はyes、それ以外ではno
このオプションがyesに設定されている場合、DCDファイルはCharmm DCDファイルのスタイルでユニットセル情報を含む。


velDCDfile <速度軌跡出力ファイル>

Acceptable :UNIX filename prefix
default: outputname.veldcd
速度についてのdcdファイル名。すべての原子の速度の軌跡を保存する。velDCDfileが定義されている場合、velDCDfreqも定義されている必要がある。


velDCDfreq <veldcdファイルに書き込むタイムステップ >

Acceptable: 正整数
veldcdファイルに速度を書き込む間のタイムステップ数。


forceDCDfile <force trajectory output file >

Acceptable :UNIX filename prefix
default: outputname.forcedcd

dcdファイル第三弾で原子にかかる力の軌跡についてのファイル。(第一弾が座標、第二弾は速度)。forceDCDfileが定義されている場合、forceDCDfreqも定義されている必要がある。


forceDCDfreq <力を軌跡ファイルに書き込む間のタイムステップ>

Acceptable: 正整数

forcedcdファイルに書き込む頻度の指定。現在の実装では、あるフレームが書き込まれたタイムステップの間に評価された力のみが、そのフレームに含まれる。これは、TclForcesの動作とは異なり、ユーザーからのフィードバックに基づいて変更される可能性がある。そのため、forceDCDfreqはfullElectFrequencyの倍数にすることを強く推奨される。

Non-bounded interactions

Non-bounded force field parameters

cutoff <静電およびvdw計算に共通する局所的な相互作用距離(Å) >

Acceptable:正数

言葉で説明されるより数式と図のほうが分かりやすいのでこのサイトを参照することを推奨(数式と図は英語でもなんとなく読めるし)

switching <switching機能を使うか?>

Acceptable:on/off
default:on
switchingがoffの場合、切り捨て型のカットオフが実行されます。switchingがonに指定されている場合は、静電力とファンデルワールス力の両方が良い感じなる。(詳しくはこのサイトを参照。)switchingがonに設定されている場合は、switchdistも定義されていなければならない。


vdwForceSwitching <VDWの力の切り替えを使用するか?>

Acceptable:on/off
default:off
switchingとvdwForceSwitchingの両方がonに設定されている場合、CHARMMの力の切り替えがファンデルワールス力に使用されます。LJcorrectionとvdwForceSwitchingは両立しないことに注意。


switchdist  <静電およびvdw計算の切り替えを有効にする距離 (Å) >

Acceptable:正数
switchingが有効になり始めるべき距離。このパラメータは、switchingがonに設定されている場合にのみ意味を持つ。スイッチ機能はswitchdistからcutoffまでの範囲でのみ適用されるため、switchdistの値はcutoffの値以下でなければならない。(詳しくはこのサイトを参照。)

 

exclude  <どの結合を除外するか >

Acceptable:none, 1-2, 1-3, 1-4, scaled1-4
NAMD Tutorialのこのページを見るとはやい。


1-4scaling <1-4静電相互作用のスケーリング・ファクター >

Acceptable:0以上1以下

default:1.0
1-4静電相互作用のためのスケーリングファクター。excludeがscaled1-4に設定されている場合にのみ使用され、その値を修正する。excludeがscaled1-4以外に設定されている場合、このパラメータが何の意味ももたない。


dielectric  <系の誘電率>

Acceptable:1.0以上
default:1.0
システムの誘電率です。1.0なら静電相互作用の変更がないことを意味し、1より大きな値の場合はシステムに作用する静電力を弱める。(基本的にdefaultでよさそう(根拠なし))

nonbondedScaling  <非結合力のためのスケーリングファクター >

Acceptable:0.0以上 
default: 1.0
静電気力とvdw力のスケーリングファクター。1.0は相互作用の修正がないことを意味し、それより小さい値の場合は系に作用する非結合力を小さくする。


limitdist <相互作用強度を制限するためのペア間の最大距離(Å) >

Acceptable:0以上
default:0

静電ポテンシャル関数とファンデルワールス・ポテンシャル関数は、2つの原子間の距離がゼロに近づくにつれて発散する。そのため、limitdistより近い原子のポテンシャルは、代わりにar^2+cとして扱い、パラメータはlimitdistでの力とポテンシャルに一致するように選択されることで、発散しないようにする。limitdistの値が大きければ大きいほど、原子間の最大の力は減少することになる。シミュレーション内の他の相互作用を変化させないためには、limitdistの値は、結合していない原子のペアの最接近距離よりも小さくする必要がある。この機能を有効にすることによるパフォーマンスへの影響はない。


LJcorrection <?>

Acceptable: yes/no
default:no

よく分かってない。yesにする場合はこの論文を参照するといいと思う。LJcorrectionはvdwForceSwitchingは両立しないので注意。

PME parameters


PMEはParticle Mesh Ewaldの略で、周期境界条件で使用するための効率的な完全静力学法。どのパラメータもエネルギー保存には影響しないが、結果の精度や運動量保存には影響するかもしれません。

 

PME <PMEを使用するか?>

Acceptable: yes/no
default:no
yesにするとPMEを使うことになる。periodic boundaty conditionを考えるときはyes


PMETolerance <PME直接空間の許容範囲 >

Acceptable:0以上
default: 1e-6
Ewald係数の値と結果の全体的な精度に影響を与える。defaultのままでいい。


PMEInterpOrder < PME interpolation order >

Acceptable: 正整数

default: 4 
電荷はグリッド上に補間され、力は補間関数の次数に1を加えたこの数の点を使って補間される(全く分かってないのでわかったら修正します)。


PMEGridSpacing <グリッド点間の最大スペース >

Acceptable: 正の実数
グリッドの間隔は、PMEの精度と効率を部分的に決定する。PMEグリッドサイズのいずれかが設定されていない場合、PMEGridSpacingが設定されなければならず(推奨値は1.0Å)、それらの計算に使用されます。基本的にグリッドサイズ設定するからこの値を設定する必要はなさそう。


PMEGridSizeX <x次元の格子点の数>

Acceptable: 正整数
PMEの精度と効率を部分的に決定します。FFTで計算させるので、素因数が2,3,5からなるような数を設定するといい(チュートリアル参照)


PMEGridSizeY,PMEGridSizeZ <y,z次元の格子点の数 >

PMEGridSizeXのy,z版なので説明略。

Water Models

NAMDは水のモデルとしてTIP3P、TIP4P、SWM4-NDPがつかえる。

waterModel  <どの水モデルを使うか?>

Acceptable: tip3, tip4, swm4
default:tip3
使用する水モデルを指定します。TIP3P水モデルを使用する場合、各TIP3P水分子内の原子の順序は、酸素、水素、水素でなければならない。TIP4Pの水モデルばら、酸素、水素、水素、ローンペアでなければならない。SWM4-NDPの水モデルを使用する場合、酸素、Drude粒子、ローンペア、水素、水素。

 

Constraints and Restraints 

Bond constraint parameters

rigidBonds <ShakeHを使用するかどうか、どのように使用するか>

Acceptable:none , water , all
default:none
waterを選択すると、水の中の水素-酸素および水素-水素の距離は、パラメータファイルで指定したものに拘束され、水分子は完全に剛体化されます。rigidBondsがallの場合、水に加えて、各水素とその水素が結合している(1つの)原子との間の結合も同様に拘束される。noneの場合は、何も拘束されない。

rigidTolerance <ShakeHの許容できる結合長の誤差(Å) >

Acceptable:正数
default:1.0e-8
拘束した結合とパラメータファイルで指定されている値の差が、この値以下であれば、収束したとみなされる。基本的にdefaultのままでいい。


rigidIterations  <最大ShakeHイテレーション数 >

Acceptable: 正整数
default:100
ShakeHが結合長の拘束を諦めるまでに行う反復の最大数。結合長が収束しない場合、警告メッセージが表示され、その時点で達成された最終値になる。デフォルト値は100だけど、通常は10回以下の繰り返しで収束する。(のでこれで警告されたらなんか間違っていると思うといい)defaultのままでいい。


rigidDieOnError <ShakeHの最大イテレーション数 >

Acceptable:on/off
default:on
rigidIterations の後に rigidTolerance が達成されなかった場合、終了してエラーを報告してくれる。defaultのままでいい。


useSettle <水にSETTLEを使用するか>

Acceptable:on/off
default:on
rigidBondsが有効な場合、水を剛体を保つために、遅いSHAKEアルゴリズムではなく、非反復的なSETTLEアルゴリズムを使用する。defaultのままでいい。

Harmonic restraint parameters

原子を拘束したいときに使う。fixed atomsでも拘束できるが、Harmonic restraintは系に調和振動子拘束を加えることで固定をする。基本的にfixed atomsは使わない。

constraints

Acceptable:on/off
default:off

harmonic constraintsをするかどうかの指定。offの場合、調和的拘束は計算されない。onに設定すると、consref、conskfile、conskcol、consexpで指定された値を使用して調和的拘束が計算される。


consexp <harmonic constraint energy funtionの指数 >

Acceptable: 2以上の偶数
default: 2
harmonic constraints energy functionで使用する指数。constraintsがonに設定されている場合にのみ使用される。


consref <拘束の参照位置を含むPDBファイル >

Acceptable:UNIX filename
拘束の参照位置に使用するPDBファイル。拘束された各原子は、このファイルで指定された位置で拘束される。


conskfile <力の定数値を含むPDBファイル >

Acceptable:UNIX filename
拘束のための力の定数に使用するPDBファイル。consrefと同じファイルで済ましてしまうことが多い気がしてる。


conskcol <力の定数を含むPDBファイルの列 >

Acceptable: X、Y、Z、O、B
拘束の力定数にPDBファイルのどの列を使用するかを指定する。どの列を指定しても、値0はその原子が拘束されるべきではないことを示し、それ以外の場合は、指定された値がその原子の拘束電位の力定数として使用される。


constraintScaling  <harmonic constraint energy functionのスケーリングファクター >

Acceptable:正数
default:1.0
harmonic constraint energy functionにこのパラメータを乗じることで、平衡化中に徐々に拘束力をオフにすることが可能になります(1→0.9→0.8みたいにしていくことで拘束を弱めていける)。constraintsがonに設定されている場合にのみ使用される。

selectConstraints <座標の選択された成分のみを拘束するか>

Acceptable:on/off
default:off
このオプションは、原子の位置を空間上の平面または直線に拘束するのに便利。このオプションを有効にすると、座標の選択されたデカルト成分のみが拘束されるようになります。例えば、原子の位置を現在のz値に拘束し、xとyには拘束をかけない場合、原子は元のz座標を維持したままx-y平面内を移動することがなる。xとyの値を拘束すると、z座標に沿ってのみ自由に動くようになる。


selectConstrX <座標のX成分を拘束するか >

Acceptable:on/off
default:off
onにすると、原子の位置のX成分を固定する。

selectConstrY,selectConstrZ<座標のY,Z成分を拘束するか >

selectConstrXを参照


Boundary Conditions

Periodic boundary conditions

cellBasisVector1 <周期境界の基底ベクトル1(Å) >

Acceptable: vector
default: 0 0 0
周期境界条件の基底ベクトルの1つを指定する。

cellBasisVector2 <周期境界のための基底ベクトル2(Å) >

Acceptable: vector
default: 0 0 0
周期境界条件の基底ベクトルの1つを指定する。

cellBasisVector3 <周期境界のための基底ベクトル3(Å) >

Acceptable: vector
default: 0 0 0
周期境界条件の基底ベクトルの1つを指定する。


cellOrigin < 周期境界セルの中心(Å) >

Acceptable: position
default: 0 0 0
圧力を制御するために位置の再スケーリングが行われるとき、この位置は一定に保たれる。

extendedSystem <XSCファイルからセルパラメータを読み込む >

Acceptable: xscfile
NAMDは、.coorおよび.velファイルに加えて、周期的なセル・パラメータと拡張システム変数(定圧シミュレーションにおけるひずみ率など)を含む.xsc(eXtended System Configuration)ファイルを生成する。このオプションが存在する場合、周期的なセルパラメータはこのファイルから読み込まれ、cellbasicvectorやcelloriginは無視される(のでcellbasicvectorを設定するのは最初の段階(minimization)だけでよく、以降はextendsystemを用いる。)


XSTfile < セルの軌跡を書き込むXSTファイル >

Acceptable:file name
default: outputname.xst
NAMDは、シミュレーション中の周期的なセルパラメータと拡張システム変数の記録を含む.xst(eXtended System Trajectory)ファイルを生成することもできる。これを定義する場合、XSTfreqも定義する必要がある。


XSTfreq < 状態をXSTファイルに追加する頻度 >

Acceptable: 正整数
XSTファイルに書き込む頻度を指定する。

 

wrapWater <周期的境界で水の座標を覆うか?>

Acceptable:on/off
default:off
座標は通常、読み込まれた方法で相対的に出力される。つまり、分子の一部が周期的な境界を越えた場合、出力時にセルの反対側には変換されない。このオプションは、水分子のみこの動作を変更します。(onにすると水分子が境界をこえたときに反対側に変換されない、offだと反対側にうつる)

wrapAll < 周期境界の周りのすべての座標をラップするか?>

Acceptable:on/off
default:off
座標は通常、読み込まれた方法で相対的に出力されます。つまり、分子の一部が周期的な境界を越えても、セルの反対側には変換されずに出力されます。このオプションは、結合した原子のすべての連続したクラスターに対して、この動作を変更する。(wrap系は基本的にこれだけonにしているものが多い気がする)


wrapNearest <座標を折り返すときにセルの原点に最も近い画像を使うか?>

Acceptable:on/off
default:off
座標は通常、原点を中心とした対角線上のユニット・セルに折り返される。このオプションとwrapWaterまたはwrapAllを組み合わせると、座標は原点に最も近いイメージに折り返され、六角形やその他のセルの形になる。

 

Dynamics

Timestep parameters

numsteps <タイムステップの数 >

Acceptable: 正整数
実行するタイムステップの数ですシミュレーションの総時間は numsteps×timestepになる。

timestep  <タイムステップサイズ(fs) >

Acceptable: 正数
default:1.0
シミュレーションの各ステップを積分する際に使用するタイムステップサイズです。値はフェムト秒単位で指定します。(精度と計算時間の兼ね合いでこの値は2にすることが多い)


firsttimestep <開始タイムステップ値>

Acceptable: 非負整数
default:0
最何タイムステップ目から始めるかの指定。基本的に、シミュレーションが以前のシミュレーションの続きである場合にのみ使用される。その時は、タイムステップを0から再開するのではなく、特定のタイムステップ番号を指定することになる。

Initialization

temperature  <初期温度(K)>

Acceptable 正数
系の初期温度を指定する。このオプションを使用すると、系が希望の温度になるように、系の全原子の初期速度のランダムに決定される。初期温度、初期速度を決定するには、temperature/velocities/binvelocitiesのいずれか1つのみが定義されていなければならない。

COMmotion <質量中心の初期動作を許可するか?>

Acceptable:yes/no
default:no
系全体の重心の動きを許可するかどうかを指定する。noに設定されている場合、系の重心の動きを取り除くために、初期速度が調整されます。ただし、ランジュバン力学におけるランダムノイズ、境界ポテンシャル、調和拘束などの外力による質量中心運動については排除されない。


seed <乱数シード >

Acceptable:正整数
default:UNIXクロックタイムに基づく擬似乱数
温度またはランジュバンが選択された場合に、乱数生成器の種として使用される数。値が指定されていない場合、UNIXクロック時間に基づいて疑似乱数値を選択する。乱数シードはシミュレーションの起動時に出力されるため、その値は既知であり、次回以降のシミュレーションに再利用することができる。ランジュバン・ダイナミクスを並列シミュレーション(複数のプロセッサを使用するシミュレーション)で使用する場合、同じシードを使用しても再現性のある結果は保証されないことに注意。

 

Temperature Control and Equilibration

Langevin dynamics parameters

langevin <ランジュバン力学を使うか?>

Acceptable: on/off
default:off
ランジュバンダイナミクスを有効にするかどうかを指定します。onに設定されている場合、langevinTemp が設定されていなければならず、 langevinFile および langevinCol を用いて、この機能の動作をより細かく制御することができる。


langevinTemp < ランジュバン計算のための温度 (K) >

Acceptable 正数
ランジュバンダイナミクスの影響を受ける原子が調整される温度。この温度は、摩擦やランダムな力を加えることで、影響を受けた原子全体でほぼ維持される。系の希望温度に設定しておく。


langevinDamping <ランジュバン・ダイナミクスダンピング係数 (1/ps) >

Acceptable: 正数
default:PDBファイルからの原子単位の値
全ての原子に適用されるランジュバン結合係数(langevinHydrogenがoffの場合は、水素以外の原子にのみ適用される)。与えられなければ、各原子の係数を得るためにPDBファイルが使用されます(以下の langevinFile と langevinCol を参照)。


langevinHydrogen <水素原子にランジュバンダイナミクスを適用しますか?>

Acceptable: on/off
default:on
langevinDampingが設定されている場合、langevinHydrogenをoffに設定すると、水素原子に対するランジュバン・ダイナミクスをオフにします。このパラメータは、ランジュバン結合係数がPDBファイルから読み込まれている場合には影響しない。offにすることが多い。


langevinFile <ランジュバンパラメータを含むPDBファイル >

Acceptable: UNIX file name
default:coordinates
各原子のランジュバン結合係数のために使用するPDBファイルを指定する。このパラメータが指定されていない場合、coordinateで指定されたPDBファイルが使用される。


langevinCol <係数を読み出すPDBの列 >

Acceptable: X、Y、Z、O、B
default:O
各原子のランジュバン結合係数に使用するPDBファイルの列の指定。係数はPDBファイルの任意の浮動小数点列から読み取れる。

 

Temperature rescaling parameters

rescaleFreq <温度再スケーリング間のタイムステップ数 >

Acceptable: 正整数
NAMDの平衡化機能は、各温度リスケール間のタイムステップ数を指定することで有効になる。この値を指定した場合、目標温度を指定するためにrescaleTempも指定する。

rescaleTemp <平衡化のための温度(K) >

Acceptable: 正数
rescaleFreqごとにすべての速度が再スケールされる温度。このパラメータはrescaleFreqが設定されている場合のみ有効。

Temperature reassignment parameters

reassignFreq < 温度再設定のタイムステップ数 >

Acceptable:正整数
NAMDの平衡化機能は、各温度再調整の間のタイムステップ数を指定することで有効になる。この値を指定した場合、reassignTempもあわせて指定する。


reassignTemp <平衡化のための温度(K) >

Acceptable:正数
default:設定されていればtemperature、そうでなければなし
reassignFreqのタイムステップごとに、すべての速度を再調整する温度。このパラメータはreassignFreqが設定されている場合のみ有効。


reassignIncr <平衡化のための温度増分 (K) >

Acceptable: 数
default:0

昇温シミュレーションにおいて、reassignFreqごとにこの値ぶんreassignTempの値を増やしていく。このパラメータはreassignFreqが設定されている場合のみ有効。

reassignHold <平衡化のための保持温度 (K) >

Acceptable:正数
reassignIncrが設定されている場合の再調整のための最終温度で、reassignTempはこの値に達した時点で保持される。このパラメータはreassignIncrが設定されている場合のみ有効。

Pressure Control

useGroupPressure <グループまたは原子量 >

Acceptable: yes/no
default:no
圧力は、原子のビリアルおよび運動エネルギー(デフォルト)、または水素に基づく疑似分子のビリアルおよび運動エネルギーのいずれかを使用して計算する。後者は変動が少なく、rigidBonds(SHAKE)と組み合わせて必要となる。これだけyesにするにして制御することが多い気がしている。


useFlexibleCell <異方的なセルの揺らぎ >

Acceptable: yes/no
default:no
NAMDでは、このオプションを有効にすると、周期的なセルの直交する3つの次元が独立して変動することができる。


useConstantRatio <最初の2つのセル次元で一定の形状 >

Acceptable: yes/no
default:no
このオプションを有効にすると、NAMDはx-y平面におけるユニットセルの比率を一定に保ちながら、すべての軸に沿った変動を許容する。使うならuseFlexibleCellもあわせて。


useConstantArea < 一定の面積と通常の圧力条件 >

Acceptable: yes/no
default:no
有効にすると、NAMDはx-y平面上のユニットセルの寸法を一定に保ちながら、z軸に沿った変動を許容します。これは現在、Berendsenの方法では実装されていません。(berendsenの方法で圧力制御することないしよくわからん)

Nose-Hoover Langevin piston pressure control

LangevinPiston <ランジュバンピストンの圧力制御を使うか?>

Acceptable:on/off
default:off
ランジュバン・ピストン圧力制御を有効にするかどうかを指定。onの場合、LangevinPistonTarget、LangevinPistonPeriod、LangevinPistonDecay、LangevinPistonTempもあわせて設定する。


LangevinPistonTarget <目標圧力(bar) >

Acceptable: 正数
ランジュバン・ピストン法の目標圧力。典型的な値は1.01325 bar、海抜の大気圧。


LangevinPistonPeriod $ < 発振周期(fs) >

使用可能な値: 正数
ランジュバンピストンの振動時間スケールを指定する。瞬間的な圧力がシミュレーション中にランダムに変動せず、減衰時間が無限である(摩擦がない)場合、セルの体積はこの周期で振動する。周期を長くすると、圧力測定の平均化が進み、セル容積の変動が緩やかになります。200がいいらしい。


LangevinPistonDecay <damping time scale (fs) >

Acceptable: 正数
ランジュバンピストンの減衰時間スケールを指定する。ピストン周期よりも大きな値を設定すると、減衰しなくなり、小さな値を設定すると、Berendsenの方法のように指数関数的な減衰に近づく。また、この値を小さくすると、ランジュバン温度槽との結合が大きくなり、ランダムフォースが大きくなる。100fsがいいらしい。


LangevinPistonTemp <noise temperature (K)>

Acceptable: 正数
ランジュバンピストンのノイズ温度を指定する。これは、選択された温度制御方法の目標温度に等しく設定されるべき。

 

surfaceTensionTarget<表面張力ターゲット(dyn/cm) >

Acceptable: 数
default: 0.0
表面張力ターゲットを指定します。useFlexibleCellとperiodicboundaryconditionと合わせて使う。LangevinPistonTargetで指定された圧力はz軸に沿った圧力となり、x-y平面では表面張力が適用される。(これ使うことある?)


StrainRate <初期ひずみ率 >

使用可能な値: decimal triple (x y z)
default: 0. 0.
圧力制御のための初期ひずみ率を指定する。extendedSystemで指定されたファイルから読み込んだ値でオーバーライドされる。通常、このパラメーターを設定する理由はない。


ExcludeFromPressure <いくつかの原子を圧力の再スケーリングから除外しますか?>
Acceptable:on/off
default:off
一部の原子を圧力再調整から除外するかどうかを指定する。このような原子の座標と速度は、定圧シミュレーション中には再スケーリングされないが、ヴィリアル計算には寄与する。膜タンパク質のシミュレーションに役立つらしい。


ExcludeFromPressureFile < 除外する原子を指定するファイル >

Acceptable: PDBfile
default:coordinates
圧力の再スケーリングから除外する原子を指定する1列のPDBファイル。除外する場合は1を、除外しない場合は0を指定する。


ExcludeFromPressureCol <除外する原子を指定するPDBファイルの列 >

Acceptable: O、B、X、Y、Z
default: O
除外された原子をチェックするpdbファイルの列を指定する。